希少本2割引からHMD(ヘッドマウントディスプレイ)まで、メディアの全てが揃う東京国際ブックフェア「IT」

7月2日から5日まで、東京ビッグサイトで東京国際ブックフェアが開催されています。今年はなぜかVIP招待状をいただいたので、初日に行ってきました。VIP入場券には「出版」と印刷されていました。

 

株式会社エルデ 土屋勝

 

一口に東京国際ブックフェアと言いますが、正式には「コンテンツ東京2014」と言い、

・第21回東京国際ブックフェア

・第2回コンテンツ制作・配信ソリューション展

・第2回プロダクションEXPO東京

・第3回クリエイターEXPO東京

・第4回キャラクター&ブランドライセンス展、が同時開催されています。

西展示棟1階がブックフェア、電子出版EXPO、コンテンツ制作・配信、2階ではクリエイターEXPO、プロダクションEXPO、キャラクター&ブランドとなっています。

 

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ビッグサイト西棟をフルに使って開催されたブックフェア

 

世界25カ国から1530社あまりが出展するという巨大イベント。私は15時半に到着し、電子書籍の老舗「ボイジャー」のブースで1時間ほどセミナーを聞いてから他のブースを回ったのですが、18時の閉館まであまり余裕が無く、ほとんど駆け足になってしまいました。じっくり見たい人は午前中から来るべきでしょう。

 

電子出版の老舗ボイジャーでYONDEMILLのシンポジウム

 

当然ですが、IT系企業が多く出展しているのが電子出版EXPOです。15時半からボイジャーのブースでは「出版者が創るWebの未来〜Webベースのデジタル出版を支援するYONDEMILL(ヨンデミル)〜」というシンポジウムが行われ、フライングラインの鐘ヶ江弘章社長、ブックウォーカーの根岸智幸さん、太田出版の稲泉広平さんが登壇しました。

 

YONDEMILLは電子書籍の流通システムの一つ。ボイジャーが開発した読書システム「BinB」を使っています。電子書籍をアップロードすれば、すぐに配信が始められ、URLを自社サイトやブログ、メールなどに貼り付ければ販売スタートです。ユーザーに対して途中まで無料で表示できる「立ち読み」を提供でき、続きが読みたくなったら「購入」をクリック。カドカワのミニッツブックや太田出版などが実際に導入しており、特に立ち読みで購買に結びつけられるのがいいという話でした。

 

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YONDEMILLを使っている3社のシンポジウム

 

また、ボイジャーはMicrosoft Office WordのDOCXファイルなどをアップロードするだけでEPUBなどの電子書籍を自動作成する新サービス Romancer(ロマンサー)」をスタートさせました。これまで以上に、手軽に電子書籍を作れるようになるでしょう。現在はベータ版ということで、無償で試用できます。

 

世界各国の本が並ぶ国際ブックフェア

 

ブックフェアのエリアに入ると、いきなりエスニックな風景が飛び込んできます。凸版印刷や大日本印刷に匹敵する広大なブースを設けているのはマレーシア翻訳・書籍センター。申し訳ないのですが、異国情緒に目を奪われて、どんな本を展示しているのか見られませんでした。他にもサウジアラビア大使館、イランイスラム共和国大使館、國立故宮博物館、中国、韓国、イタリア、イギリスといった各国がブースを出展しています。もともと出版社や編集者に各国が本を売り込む場としてスタートした東京国際ブックフェアならではの風景でしょう。

 

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エスニックなマレーシア翻訳・書籍センターのブース

 

もちろん、日本の出版社も大挙出展しています。スティーブ・ジョブズや黒田官兵衛とも語ってしまうあの宗教法人もあるし、キリスト教の出版社、お寺さんもあります。講談社、カドカワ、集英社などの大手出版社は独自ブースを構えているし、みすず書房、勁草書房、岩波書店、東大出版会、吉川弘文館などは人文・社会科学署フェアとして固まっていました。自然科学書フェアというのも毎年あるのですが、農山漁村文化協会と朝倉書店、それに自然科学書協会ぐらいで、あまりパットしません。農文協は自然農法の米とかみりんが目玉だったし。

 

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農文協のブースではホンダの耕耘機と手作りみりんが

 

これら出版社のブースでは展示してある新刊書を2割引で購入できるというメリットがあり、それ目当てで来場する方も少なくないようです。希少本をそろえているコーナーもあります。専門書だと1冊数千円しますから、2割引は交通費をかけてでも行く価値がありますね。

楽天も大きなブースを構えてKOBOをアピールしていましたが、お客さんよりスタッフの方が多い状態で、かつてのような熱気はなかったのが残念。

 

クリエイターのお祭り? クリエイターEXPO

 

2階は1階とはかなり雰囲気が異なります。特にクリエイターEXPOは同人誌の世界。イラストレーターやデザイナー、漫画家、写真家、ライターなど個人やグループで活躍しているクリエイターの人たちがコマを連ね、作品を展示して売り込みです。数年前には知り合いのイラストレーターから声を掛けられたことがありました。仕事ではなく、趣味のフリークライミング仲間だったので、すごく驚いた記憶があります。今は特にイラストやデザインを頼む予定がないのでこのコーナーは駆け足で抜けてしまいましたが、新人発掘のためにここだけで1日使う編集者やディレクターも少なくないようです。

 

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クリエイターEXPOは華やかな雰囲気

 

プロダクションEXPOの映像・CGゾーンでは4Kカメラや編集システム、リモコンヘリコプター撮影システムといった最新機材やHMD(ヘッドマウントディスプレイ)によるARのデモなども行われていました。スマートフォンやデジカメでも4K撮影が可能になっていますが、やはり業務用システムでの4Kはきれいです。

 

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ハイスピード4Kカメラの映像はリアルできれい

 

あるブースでは一昨年日本で公開された映画「TED」が大きく宣伝されていました。今年、アメリカでは続編「TED2」が公開されたので、それかと思って聞いてみたら、TEDをテーマにした口コミキャンペーンシステム picpo! を展開している企業でした。

 

本当は不良中年ぬいぐるみであるTEDを抱えたお嬢さん

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私たちの会社がある神楽坂は飲食の街という印象が強いですが、実は出版社から印刷会社までが密集する本の街でもあるのです。えひらビルも、もともとは印刷工場だったという話ですし。そんな本の街から、最新の電子メディアを発信する私たちの活動もつながっているんですね。