役立たず! と言われたヤツにも意味はあった「時事」

今まで、みんなが切って捨ててた「アイツ」に、意外な役割があったことがわかった。ごめんな、、今までゴミ扱いして、、、。そう、アイツの名前は「虫垂(ちゅうすい)」

人間は進化の過程で、もともと持っていた機能が消えていったり、不要になった部位があると言われています。消えていった代表は尻尾。退化して無くなったと言われています。消えてはいないが不要の代表は盲腸の先にある虫垂(ちゅうすい)。虫垂炎を発生しやすいため、開腹手術の際に切除されることが多かった部位です。しかしこのほど大阪大学、大学院医学系研究科 感染症・免疫学講座(免疫制御学)/免疫学フロンティア研究センター竹田 潔教授らのグループは、虫垂が何らかの免疫学的機能を有している可能性を見つけました。

 不要と言われていた盲腸の先端にある虫垂。残しておくと炎症を起こしやすいということで、なんでもないのに切除した方も多いかと思います。ところが、この虫垂のリンパ組織が、腸内の細菌叢(サイキンソウ:ヒトや動物の腸内にある細菌郡の総称)のバランスを整え免疫学的機能を有している役割がある可能性が発見されました。具体的には、虫垂のあるマウス、切除したマウスとの比較試験によって、虫垂は「IgA」なる抗体を生み出すのに重要な場所ということがわかりました。IgA は、腸内細菌叢のバランスの維持に極めて重要な抗体で、実際、虫垂で造られる IgA は小腸や大腸に移動し私たちのために活躍してることがわかりましたし、虫垂が無くなると大腸の細菌叢のバランスが崩れることも判明しました。

 今回の発表以前から、腸内には、100種類以上、100兆個以上の腸内細菌が生息しており、ヒトや動物の栄養分の一部を利用しつつ、他の腸内細菌とバランスを取って一種の生態系を作っているのは知られたことです。このバランスが崩れると、今まで細菌叢が保ってくれていた有用な作用(免疫系の活性化、ビタミンの産生、病原菌の定着阻害等)が失われる可能性があります。また腸内細菌叢のバランスが崩れると炎症性腸疾患が発症しますが、今回の発見で、この疾患への新しい治療法の開発が期待されます。